【山吹薫の昔の話】終末期に向かう話 ② 〜終末期のリハとケア〜

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【心揺さぶるストーリー!理学療法士×作家のタナカンによる作品集!】

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石峰優璃の隣へ座り、山吹薫は彼女の笑みを眺める。写真に収めておきたいほどの完成された笑み。そういえば僕は主任の写真をひとつも持っていない。

山吹 薫
山吹 薫

終末期の定義は分かりましたが、まだピンと来ませんね。こう、、、ぼやっとして捉えどころのないような気がします。

石峰 優璃
石峰 優璃

きっと誰もがそうなんだろうな。本当に死が目前に迫るまで、意識ができないのだろうな。でもいつかは山吹も私も終末期は誰にだって訪れるものだよ。死は元気な間はどこか他人事に聞こえてしまうものだけど、決して他人事ではなく自分自身にだって同じなんだ。

山吹 薫
山吹 薫

自分がいつか死ぬものとして考えるということですか?随分とこう、大袈裟な話に思えますね。

石峰 優璃
石峰 優璃

誰だってそうだよ。考える時期もまた難しいだろうなぁ。私だって正直想像がつかない。だけど、いざ目の前に死が迫った時に何を答えることだできるだろうか。今でも悩んでいるよ。死を目前にして、死を受容することができる人がいるのだろうか。ただ目の前にいる終末期の患者にその考えが必要だと理解しておく必要はあると思う。

そういうものですか?と山吹が訪ね、石峰はいずれわかるよと答えた。いずれとはいつだろうか。ずっとずっと老いてからなのだろうか。ただこの日々がそこまで続かないことは確信している。確証はなくとも。

石峰 優璃
石峰 優璃

まだ概論とも言えない会話で結論を出す必要はないよ。そして終末期におけるケアもまた時期的な部分も含めて種類があるんだ。一つにこれはよく聞いたことがあるだろう?ターミナルケア、終末期ケアと呼ばれるものだ。

山吹 薫
山吹 薫

具体的にはまだわかりませんが、終末期に行われるケアということですね。こう人生の最期を迎えるにあたりその人に寄り添うみたいな感じですか。

石峰 優璃
石峰 優璃

寄り添う。山吹にしてはいい言葉だな。終末期ケアは終末期における医療・看護・介護のこととされる。しかしここにはリハもまた含まれると思うよ。疾患や障害により余命わずかの人を含め種々の理由で終末期を迎えた人が、人生の残り時間を自分らしく過ごし、少しでも穏やかな時間を過ごしながら最後を迎える。そのために身体的、精神的な負担を軽減することをが目的となる。

山吹 薫
山吹 薫

なら疾患に合わせてその人がその人らしい生活を最後まで行うためのリハビリテーションというわけですね。まだうまく想像はできませんが。

すぐにわかるよ。と石峰は言った。核心に触れないように注意深く言葉を選んでいるように見えた。

石峰 優璃
石峰 優璃

そしてターミナルケアでは身体に苦痛や侵襲を伴うような積極的な治療ではなく痛みを取り精神的な安定や生活の質を優先させる治療とされる。しかし当然、最後まで積極的な治療を望む人も、家族だっている。どのような結末を選ぶとしても、その人が選んだ終末期なのだから全力で出来ることを考えなければならない。何度も話し合わないといけない。

山吹 薫
山吹 薫

さらにリハビリから離れていくような気がしますね。こう積極的に離床を進め、二次的合併症と廃用症候群を防いだ上で早期の退院を目指す。その逆ではないですか?

石峰 優璃
石峰 優璃

逆とは物騒だな。でも私も同じことを考えていたのは正直なところだね。ただ精神的な関わりが必要となると思う。死から遠のけるのではなく、死が防げないのなら、最後まで精神を穏やかに自分らしく生きるためのリハビリを行う。必ずしも運動療法が身体的にのみ作用するわけではないだろう?

ですが!と身を乗り出す山吹の額を石峰は細く伸びた人差し指で押し返す。まぁそう急くな。ゆっくり話そうではないかと言った。僕の気持ちを置き去りにして。

山吹薫の覚書109

・終末期には実際に死を目の前にした時のことを事前に考えておくと、その後の納得することや対応することに混乱が少なくなるーわからない。

・終末期では苦痛や侵襲を伴う積極的な治療ではなく、痛みの除去など精神的な負担を減らし生活が優先される。

・その人が最期までその人らしく生活できるためにリハビリテーションが必要だと思われる。

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