人工呼吸器離脱の話 その①  〜最初に考える言葉の違い〜 【山吹薫の昔の話】

ウィーニング

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【看取りのセラピスト/ティザーPV第五弾】

それはいつもの業務の終わり、少しずつICUの空気にも慣れてきている。それでも業務の終わりは肩が重い。今日は主任が休みのようだった。最近休みが多いとも思い山吹薫は席を立とうとすると、岩水静と内海青葉に呼止められた。

岩水 静
岩水 静

残業もそこそこにすぐに変えるのはよい心がけだ。しかしまぁ今日は頼まれていることがあってな。

内海 青葉
内海 青葉

主任ちゃんがねー。新人ちゃんに人工呼吸器からのウィーニングを教えてくれってさー。今日は早退しちゃったから。

山吹 薫
山吹 薫

そうですか。でも急ぐことはないので、また今度にしますよ。

正直言って主任から教わりたかった。もちろん学びたくない訳ではない。この二人もまた尊敬している。だけど・・・教えてくれると言ったのに。そう踵を返そうとすると岩水は山吹の肩をがっしりと掴む。

岩水 静
岩水 静

まぁそうつれない顔をするな。たまには男同士楽しくお勉強しようじゃないか。一刻一秒が大切な超急性期でのリハビリテーションなのだ。学ぶ時間も惜しいのだからな。

内海 青葉
内海 青葉

ふふーん。岩水は最近新人ちゃんと話せていないから寂しいんだってさー。それでは早速・・・新人ちゃんはウィーニングって何かわかるかな?

山吹 薫
山吹 薫

人工呼吸器からのウィーニングは人工呼吸器離脱とも言われます。人工呼吸器に管理されている呼吸から、人工呼吸器を取り外しての呼吸を自身でおこなえるようにすることですね。

どういうことですか?と肩を掴んで離さない岩水に引きずられなが山吹は言った。気がつけばいつものデスクに戻ってきている。内海は奇妙に体を傾けていた。

岩水 静
岩水 静

ふむふむ。ウィーニングとは徐々に下げていくという意味がある。しかしそれも必要だがそれだけではないな。

内海 青葉
内海 青葉

おかえり~。岩水が言いたいのはねー 。ウィーニングとはweaning と書いてさっき岩水が言ったように徐々に下げていくという意味がある。それは昔からの人工呼吸器離脱の方法に起因するかな。そして今は離脱という本来の意味のdiscontinuationや解放と言った意味のliberationという言葉が使われることが多くなってきたんだよね。

山吹 薫
山吹 薫

人工呼吸器からの離脱。徐々に下げていく、離脱する。もしくは解放する。ただの言葉の違いではないのですか?

岩水 静
岩水 静

ふふふ。甘いな。それをじっくり語らおうではないか。

ため息を隠さなくても二人は楽しそうにしている。それにしても主任は自分から少しずつ離れていっている。そんな考えが脳裏に浮かび山吹は急いで首を振り、その考えを追い出した。

山吹薫の覚書103

・人工呼吸器から離脱するにもプロセスがある。

・現在では徐々に下げるのではなく、離脱や解放と言った本来の意味が使われる。

・主任の姿が遠のいている。そんな気がする。

【〜目次〜】

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