気管支肺炎の話 その②  〜呼吸のリハビリで意識するべき大切な事〜

気管支肺炎

女子更衣室に備え付けられた丸テーブルに、四人で腰掛ける。まるで何事もなかったような午後は何となく気持ちを落ち着かせると坪井咲夜はそう思う。

白波 百合
白波 百合

それで気管支肺炎の話の続きっすけど、これにはまず呼吸に関する働きを知る事が必要っすね!これに関しては昔、先輩の先輩の内海青葉先生に教えてもらったっす!

桜井 玲奈
桜井 玲奈

なんだかもう随分と前に話に聞こえますわね。そして気管支肺炎の方をリハビリする事もあると思いますが、それはあくまでリハビリの結果で気管支肺炎が良くなる事ではありませんの。

上代 葉月
上代 葉月

そうだね。それはリハビリ全体に言える事かも使れないけど、その原疾患の治療に並行してリハビリを行って廃用症候群や、合併症を予防して、再発を防ぐって事が中心になる事も多いもんね。

坪井 咲夜
坪井 咲夜

そうやな。リハビリで治す・・・事が出来たら理想やねんけど、それでやきもきする事もあるけどな。

白波百合と桜井玲奈、そして上代葉月の視線から逃げるように坪井咲夜は視線を逸らす。病床に横たわる母の姿。今までは決して関わる事はなかった、関わろうともしなかったその姿を思い出す

坪井 咲夜
坪井 咲夜

そんでリハビリとして関わるとするならば、すぐに体力を落とさないように運動!って訳にはいかへんわな。まぁそれも大切やねんけど、それよりもまず呼吸の指導、特に痰を出す事を指導してそのトレーニングが必要やな。

白波 百合
白波 百合

それは呼吸のリハビリに共通する事かもしれないっすね。特に気管支肺炎では痰の量が増えるっす。でもそれをしっかり出す習慣をつけないと、特に入院するほど増悪した場合には吸引なども必要になる事も多いっす。

桜井 玲奈
桜井 玲奈

それに横隔膜呼吸、腹式呼吸の指導もそうですわ。息が苦しい状態が続くと肩で息をする。所謂努力性呼吸やそれに近い呼吸、そしてたくさんの浅い呼吸となる事も多いですの。しっかり練習ですわね。だけどもその・・・COPDの場合は話が少し違ってきますの。だからそれはまたお勉強ですわね!

上代 葉月
上代 葉月

そうなん・・だね。そして何よりも検査値より炎症の程度や白血球の多さといった事から肺炎の治療が円滑に進んでいるか、そうでないかも常に確認が必要だね。これは生化学検査の見方の考え方が必要なるけど。

言葉の詰まる理由はわかる。実の母は若いのにも関わらずCOPDの急性増悪だ。幼い頃の記憶の中の母は常にタバコを吸っていた。あんなに吸うからや・・・と心の中でそう思う。

坪井 咲夜
坪井 咲夜

そして何よりも禁煙や!っていっても発症してから吸うなんて余裕はないやろけどな。

白波 百合
白波 百合

それはもちろんっすよ!そして病状の緩和に合わせて運動療法っすね!単純な気管支肺炎で有ったなら、体力の低下は著しくても大きく筋力が落ちている事は少ないっす。可能な範囲で有酸素運動っすね!

上代 葉月
上代 葉月

そうだね。まずは安静時も酸素療法が行われている事も多いから、まずはベッド周囲で動けるように練習をする。だけど安静時でいくら落ち着いていても運動したら当然息は切れるから注意だね!

桜井 玲奈
桜井 玲奈

そして血中酸素飽和度を確認しつつ運動を行うと思うのですが、これにはタイムラグがありますの。計った瞬間は正常値でも徐々に落ちてくる。なので休憩中は1分間ほど測定を行う事が必要ですわ。そして何よりもあくまで数値である事を念頭に置く事ですわね!

坪井 咲夜
坪井 咲夜

そうやなあくまで数値であって、絶対的に従う必要はあるけど、その結果は相対的や。よって数値は正常値でも目の前の肩が肩で息をしていないか、苦しそうではないか、はたまた意外と余裕があんな?とか主観的な情報も重要になるわな!

病床で見る母の姿はどこも見ていなかった。一時的な意識レベルの低下。それが何を指すのかは分からない。考えようにもその思考が止まる。

坪井 咲夜
坪井 咲夜

そんでもそれは基本的な事で、特に高齢になると様々な症状が合併するわな。そして特に男性の場合には長期の喫煙歴によって肺もガタガタになっとる時も多い。そん時になんらかのウイルス性肺炎を発症すると急激に状態は悪くなるねん。

桜井 玲奈
桜井 玲奈

そうですわね・・・時には挿管されて人工呼吸器での管理となる事もまたありますわ。そうなったらもう超急性期のリハビリになりますし、私ではご説明はできませんわ。

白波 百合
白波 百合

それでもそこまで症状が進まなくても、もともと廃用症候群、サルコペニア、フレイルといった状態であると治療も円滑に進まない事も多いっす。もともと疾患に患いやすくなるくらいに体が弱っているって事っすから・・・

上代 葉月
上代 葉月

だね。だから症状が落ち着いても自宅での生活が難しい人は、そこから呼吸器疾患に照らし合わせたリハビリテーションから、普段の自宅に帰るためのリハビリテーションに移行する事になるね。リハビリにもいろんな種類があって、その時々で考える事も違う。まぁ山吹さんが言ってる事だけどね。

あの不器用鉄面皮ならどうにかしてくれるんかな。と坪井は思う。白波もそうだし、あの軽薄な沢尻悠だってそうだ。きっとどうにかしてくれるんやろうけど、それでもなんか胸の奥がもやもやする。

白波 百合
白波 百合

ふーむ。今回は気管支肺炎を中心に肺炎のリハビリって感じっすけど、やぱり病態というより症状に大きく左右されるっすね。そしてやっぱり元々の生活習慣も強く反映されるから、情報収集も大切っすね!

坪井 咲夜
坪井 咲夜

そやな。それでもちろん目指すべき目標が分かる訳やし、元々どれくらいの日常生活で息切れしていたかとか、知っておくとそこがまず運動のベースになるもんな。

上代 葉月
上代 葉月

そうだね。呼吸器疾患にもいろいろあるからねぇ。リハビリの内容は大きくは一緒だけど考える事は少し違ってくるしね。あっそれに玲奈ちゃん?さっきの薫様って誰の事!?知り合い!?

桜井 玲奈
桜井 玲奈

なっなっ!今更何をおっしゃられているのかしら!べっべつになんでもない事ですよ!?

なにかなー?と笑みを浮かべて一人だけ何も分かっていない上代は首を傾げ、白波は困ったように視線を逸らす。まったく肩の力を抜いたらいつもの日常やな。そう思って坪井咲夜は窓の外を眺める。それでもちょっとずつ違うのだ。そう思いながら。

坪井咲夜の手帳 その2

・運動療法を行う前に呼吸状態の評価、そして呼吸練習といったまずは安静時で安楽な環境の提供が必要。

・発症前の生活も知っておく。もちろん自宅生活の方法以上にどれだけの生活を息切れせずに行えていたかを知る必要がある。

・ありがとう。

【〜目次〜】

『内科で働くセラピストのお話も随分と進んできました。今まで此処でどんなことを学び、どんな事を感じ、そしてどんなお話を紡いできたのか。本編を更に楽しむためにどうぞ。

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