石峰優璃の本の中 その⑥ 〜彼の中に残すもの〜

総論

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【看取りのセラピスト/ティザーPV第二弾】

随分とこの街もまた冷たい風が吹くようになったな。石峰優璃はそんな事を考えながら冬の色をした街並みを歩く。

久しぶりに先生に会った。既に臨床を離れていた学校で臨時教員をしていると聞いたからだ。

あの臨床の鬼みたいな先生が、穏やかな表情で学生を教えている。

実際に見るまでは想像できないなかったな。と石峰は笑みをこぼす。

先生は自分がこの病棟へはじめて足を踏み入れた時に、一人で救急科のリハビリを支えていた。その時にはまだリハビリオーダーは多くはなくて、先生はその必要性を広めようと必死だった。

研究論文を残し、勉強会を開き、それは段々と周りに認められていった。

私もまたその背を見て育った。自分のことしか興味がなかった私ではあったけど、想いのかけらは心の隅で今もまだ存在している。

先生は私の病のこともまた知っている。それに最初気がついたのは紛れもなく先生だったから。

それから私はこの病と共に道を歩んでいる。この道の先には何があるのだろうか?

それは死だ。そんなことはわかっている。

それが身近に迫ってきた今だからこそ、私は何かを残そうとしているのかもしれない。

私がもしいなくなったとしても、私が生きたという証がだれかの中に残っていることを期待して。

私もらしくないな。とそう思う。

先生は私もまた教員にならないか?と誘ってくれた。意図の読めない表情のまま、淡々と。

それを私は丁重にお断りをしてきた。臨床にはまだ私の生徒がいるからと。

真面目で不器用で、そして私の背中をたどたどとしくも追いかけている彼に、まだ教えるべきことはたくさんあるのだから。

知識や技術・・・そして私が臨床に残す想いの一端でも彼の中に残すことができたのなら、私もまた彼の中で生き続けて行くことができる。

そんな気もする。

さて・・・明日からいよいよ彼もまた本格的なICUデビューだな。

困惑しながらそれでも真っ直ぐと前を向く山吹薫の姿を想像しながら、石峰は再び笑みをこぼした。

【〜目次〜】

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