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しかしこの日々はいつまで続くのだろうか。内海青葉はお互いにあれやこれやと議論を交わす二人の新人セラピストを眺めながらそう思う。
それで呼吸リハビリテーションを学んだところで、次は運動療法の必要性だね。これは我々が一番求められるところでもあるから、状態の安定、特に循環動態の安定と共にしっかりとモニタリングを行いつつ進める必要があるねー。
そうですね。ICUでのリハビリを行う目標の一つは入室前のADLをいかに維持できるかですからね。多くは難しいことが多いですがそれでも不必要な廃用を予防する必要があります。
そのためにも介入前に以前のADLや活動性がどの程度だったのかは把握が必要だよなー。それで目標や過負荷にならないように負荷量も調整できる。こればっかりは普段運動療法を行う前に行うことと同じだな。
賢くそして経験の浅い山吹薫はさらに学び、経験し、何よりも自分の言葉でリハビリを語ることができるようになった。それに触発されて進藤守もまた言語聴覚士としても他分野の視点でリハビリを語ることが出来ている。
いい感じだねー。そして筋肉も体を構成する臓器の一つとしても捉えることが出来るねー。それを可能な範囲で動かすことでも拘縮予防や筋萎縮の予防、ADLUPに伴って深部静脈血栓症予防ともなるし、当然呼吸器合併症予防ともなる。リハビリを進める、進られること自体が状態の改善として目に見えてわかるものさー。
それはそうですね。リハビリの進捗がまた医師の治療に影響を与えることもまたありそうですね。それに認知機能やせん妄、高次脳機能の評価といったこともまた必要ですね。それが一過性であるのか永続で在るのか。治療に対するコンプライアンスもまた検討していく必要がありますから。
それに関しては嚥下機能の把握や機能練習、早期から腸管を使用していくために適切な、特に誤嚥性肺炎を予防しつつ食事を支援するのにもやはりその評価が必要だからなー。やることはたくさんだな!
当然だろうと山吹は眉をしかめつつ進藤にそう返す。昔にはなかった賑やかさだと内海もまた奇妙に体を捻りつつ奇妙な笑みを浮かべる。
でもまぁ僕たちだけでリハビリテーションを行っている訳ではないからな、患者様一人に対して多くの医師を含めたスタッフが関わっているし、その視点もまた違うから、他職種との情報共有と連携が必須になりますね。
それはまぁ普段のリハビリでも同じだけどなぁ。それでも特に要求されるのがICUという現場かもしれないな。
そうだねー。そしてリハビリは万能薬・・・のようにとられられる事はあるけれど、作用があれば必ず副作用もまたある事を意識しないとダメさー。それもまた話していこうかね。
こううやって指導する時間もまた少なくなっていくんだよねー。そう考えると内海はなんだか寂しくも嬉しくも、複雑な表情を浮かべた。
山吹薫の覚書91
・運動器もまた臓器の一つととらえて、治療と並行して介入を行う。
・運動療法もまた副作用がある事を考える。適切なモニタリングを考える。
・なんだか内海さんが寂しそうだ。何かあったのか?
【〜目次〜】
『内科で働くセラピストのお話も随分と進んできました。今まで此処でどんなことを学び、どんな事を感じ、そしてどんなお話を紡いできたのか。本編を更に楽しむためにどうぞ。
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