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なんだかちょっとだけ雰囲気が変わってきたねーと内海青葉は目の前に座る山吹薫と進藤守を眺めながらそう思う。
ICUでのリハビリでは基本的な介入でも重要な治療の一つになると知りましたが、呼吸リハビリテーションも重要だと言っておりましたね!
呼吸リハビリテーションとはいろいろありますが基本的に呼吸器疾患の観点から患者様の呼吸苦の解消や生活指導が中心になってきますね。ICUではどのような介入になるんですか?
ふふーん。のりのりだねー。急性期、超急性期においての呼吸リハビリテーションでは前にもちょっと話したけれど、体位管理、早期離床、リクルーメントや気管管理が中心になると言われているね。他にも疾患によっては呼吸指導、咳嗽練習もまた重要になってくるね。
ほうほうと二人はその言葉を反芻しながら頭の中に入れている。どうやら自分達でもまた勉強しているようだし、こうなってくるともう安心だねぇと内海はそう思う。
ふむふむ。リクルーメントと気道管理については無気肺予防が主な目的にはなりそうですね。挿管により人工呼吸器を使用していてもその先の気管支から肺胞に至るまでの空気の通り道が喀痰によって閉塞していては十分に体の中に酸素が取り込めませんからね。
そうだねー。元々の疾患によって痰の量が異常に増えていたり、挿管の刺激自体によっても痰の量は増えるからね。それを医師や看護師と協力しながらそこからの無気肺をどう予防するか、もしくは改善さえるかもまたボクたちの腕の見せ所って感じかな!
ふーむ。だからこそICUでも言語聴覚士の関わりが必要ってことですね。入室前の情報からも元々誤嚥のリスクが高い方かそうでないかもまた知っておく必要がありますから。
誰かに知識を教えるということは、知識以上にその人のセラピストとしての在り方もまた変えてしまう。その変化が良いと思われる方に変わっていくのは先輩冥利に尽きるなぁ。そんなこともまた内海は考える。
今まで話したのが閉塞性の因子ではあるけれど、他にも拘束性の因子もまたあるんだよー。これは肺自体が原因となること以外に胸郭もまた原因になることもある。それは疼痛や胸水の貯留。腹圧の亢進やICU-AWといったことかなー。これはまた詳しく話すねー。
いろんな原因がありますがそれらをしっかりと評価してアセスメントしていくことが必要ですね。治療に伴いその場その場での介入方法は随分と変わってきそうなことですから。
ふーん。まぁそこら辺は頼むよー。俺そんなに呼吸リハビリには詳しくない。
・・・それなら自分でも勉強してみたらどうだ?言語聴覚士が呼吸リハに卓越していたら勝てる気がしないんだが。
なるほどな・・・と進藤は珍しいく真剣な顔でそう頷いた。これだから後輩指導は止められないんだなと、内海青葉は柔らかく笑みを浮かべた。
山吹薫の覚書90
・無気肺のリスクを減らすためにも早期からの呼吸リハビリテーションは必須ともなる。
・多くの介入は治療と共に並行して行われる。よってその時々の状態を常にアセスメントする。
・なんだか・・・楽しくなってきた。
【〜目次〜】
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