内科で働くセラピストの話 その③ 〜これから必要な一つの臨床思考過程〜

リハビリ

このスライドを出すために定義された、最初の事例、そしてそこから導かれるその理由。何とか上手くいっているっす・・・自分なりにはっすけど・・・

白波 百合
白波 百合

これから変化するリハビリや運動処方に纏わる世の中で必要な事・・・それは、普段使う解剖学や運動学の知識に加えて生理学や病理学、そして何よりも疾患の理解が必要っす!

随分とおとなしく聞いているっすね。と白波百合は山吹薫を不思議に眺める。絶対いろいろ言われると思ったんすけど・・・と言葉を続ける。もう腕の震えはすっかりと止まっている。

白波 百合
白波 百合

一部の人には運動不足だからとか、歩き難い、体力をもっとつけたい!という訴えの中には、慢性疾患や難病、もしくは基礎疾患が潜んでいる可能性も高いっす。そしてそれらは全ての人が自分自身で理解している訳では無いっす。いよいよ日常生活が苦しくなるまで病院に受診する人は少なかったりするっすから、緩やかに進行する病状の元、なんだか最近しんどいなぁ。くらいの感覚で日常生活を送っている人も多いっす。そしてまず病院!ではなく身近な場所での運動を始める人も多いとも思うっす。

この病棟に入るきっかけになった患者様の急変。それは今でも忘れられない。そしてこの病棟で知った様々な知識。最初に先輩から教わる事になった日の事は今でも鮮明に覚えている。

白波 百合
白波 百合

それでもやはり運動はとっても体に有益である事は間違い無いっす!例えば心疾患や呼吸器疾患だと筋力の向上、体力の向上は心臓の負担を結果的に軽減したり、日常生活を楽にしたり寿命自体を伸ばすっす。それに筋力の維持はフレイルやサルコペニア、ロコモーティブシンドロームの予防にも繋がり推奨されるのはもちろんっす!

そして出会った先輩のお友達。みんなそれはそれで曲者揃いだったっすけど、それでも自分に優しく色んなことを話してくれた。

白波 百合
白波 百合

でもその反面、過度な運動や疾患に沿った生活指導を怠っていると、日常生活は中々楽にはならないっす。それに元々の疾患が進行してしまったり、過度な運動自体や大切な生活指導が抜け落ちると、そこにリスクと生じる事もまた多いっす。

自分の友達だって今では不思議と此処の休憩室で一緒に学んでいる。みんなそれぞれの思いを持っていて、それは心の奥底で大切に持ってる。それは言葉に出さないでも分かる。だからこそみんな一緒に居るっすね。とそんなことを思う。

白波 百合
白波 百合

自信が向き合う人が運動によって、今までできなかった事ができる様になったり、自分の理想とする生活や肉体を得るのはとってもみんな嬉しい事っす。だけどもそれには自分はっすけど・・・護る運動処方が必要だと思うっす。ただ頑張りすぎるのでは無くて安全に、自身の体を護りながらリハビリや運動を行う。そして自分の生活の質や生命の質を向上させる。そのために基礎的な医療や疾患の知識を誰しもが持つ事で、病院でも地域でもその人らしい生活を支える事が出来ると思うっす。これからの世の中はきっと病院以外も活躍する数々のセラピスト達が悩みを抱える人を支える世の中になって欲しいと思うっす。共感は得られないかも知らないっすけど、臨床にも多くの運動に伴うリスクはあるっす。そんな中で今回はなぜリスク管理が必要なのか、運動に伴うリスクの必要性をお話しさせて頂いたっす。今すぐには難しい事ではあるっすけど、あれ?と思ったら身近な先輩や詳しい人にお話を聞く事が大切っす。

そしてある日に聞いた先輩の昔の話。懐かしむ様にそして大切な事だけはずっと心の奥底で隠し持つ。そんな先輩の昔話の終わりの日はまだ聴けていない。それはきっと興味本位では聴けないそう思っている。だけどいつかその日が来たら・・・集中っす!白波は一度首を振る。

白波 百合
白波 百合

お忙しい中ご清聴ありがとうございました。またいつか自分ももっと勉強したら、より詳しくお話しする機会があればと思うっす。本当にありがとうございました。

紡ぎ終わった自分の言葉の数々。それはこの休憩室での日々そのものだという風に思う。そしてその日々は決して終わったわけでは無く、むしろ自分にとっても臨床はこれからだ。そんな風に思えた。沸き立つ心を沈める様に白波は静かに吐息を漏らす。さて・・・反応はどうっすかね?と白波は山吹を見る。

一瞬の静寂を置き去りに、山吹はパチパチと何度か手を叩く、その目はまっすぐと白波を見る。西日が差し込み橙色の照明に照らされた、陶器の様に整った表情が描く僅かな唇の曲線に白波もまた頬に緩やかな曲線を作る。

山吹 薫
山吹 薫

お疲れ様良い発表だった。こればっかりは予想外だな。

白波 百合
白波 百合

うぇ?もっといろいろ言われると思ったっすけど!たまには先輩も素直なところがあるじゃないっすか!。

山吹 薫
山吹 薫

・・・ふむ。なら白波の言う通りにまずは・・・。

白波 百合
白波 百合

いや・・・それはまた休憩してからっす!とりあえずご清聴ありがとうございました。

山吹 薫
山吹 薫

・・・こちらこそありがとうございました。

へっ?その言葉の意味に白波は首を傾げる。山吹の言葉のその先には何もない。だけどもそこにもまた先輩だけの気持ちがまた有るんすね。そう思ってもう一度最後のスライドを見る。人に何かを伝えると言う事はただ知識だけではダメなんすね。そこにはこうやって想いを乗せなければ大切な言葉は伝わらない。それはそれだけの想いが詰まっているって事っすけど、、、かつて先輩の大切な主任さんが何を伝えようとしたのか。自分には何だかそれが分かる。そんな気がした。

【〜目次〜】

『内科で働くセラピストのお話も随分と進んできました。今まで此処でどんなことを学び、どんな事を感じ、そしてどんなお話を紡いできたのか。本編を更に楽しむためにどうぞ。

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