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しかし、この新人君も飽きずにこう話をしてくれるものだ。石峰優璃は目の前で眉間に皺を寄せむぅと考え込む山吹薫を眺めてそう思う。
つまりは心臓がポンプの役割をして、全身に血を巡らせる。そしてその血には体を構成するのに、そして生命を続けるために必要な酸素が含まれていて、それを送り届ける役割という認識を持つ。そこまでは理解できたか?
えぇ。確かに定義を構成する言葉を崩して考えてみると、いろんな事を考えなければいけない事は十分に理解できましたよ。
その通りだ。と答えつつ何ともまぁ素直になったものだと石峰は思う。そして自分はここまで人とゆっくりと話した事が今まであったのだろうかとも思う。
しかし少なからず臨床ではそのポンプ機能を十分に果たせない方もおられる事は事実だ。なんらかの要因により心臓が機能を果たせなくなる。心臓も筋肉ではあるからその直接的な障害、もしくは二次的な障害によりその機能を果たせなくなる事もある。つまりは十分に収縮して血圧を保てなくなる。という事だな。
心不全などでしょうか。もしくは心筋梗塞後だったり、弁膜症・・・心臓同士をつなぐドアが硬くなったり細くなったりする。事もあるでしょうね。
それはまた細く話すとして、それでも血流が途絶えるのは体にとって非常事態だ。もちろんそれに対するバックアップ機能も有って、主に脳を守るため。とも言えるかもしれないな。
もちろん仕事上の話を長くする事もある。それにこれだって仕事上の話と言ってしまえばそれまでだが、それだけでは無いのだろうと石峰は思う。
なるほど。心臓のポンプ機能が保てないと、それを保つための働きがあるという事ですね。例えば交感神経が興奮して、心拍数を増やして、心収縮力事態を増やす。そして末梢の血管を収縮させて末梢血管抵抗を増やして、脳や心臓といった生命を営むために場所へと血流を増やすという事ですね。
よく勉強しているではないか。しかしそれはそれで非常事態だ。無理して働いている状態だからいずれは負担がくる。そして前に話したように体の様々な臓器にも障害が出る。それは多くは心不全として発症する。酸素が足りずに息が切れ、末期になると種々の臓器に障害が出る。
なるほど。高齢になればなるほどそのリスクは高まりますし、普段と同じ生活の中で発症。なんて事もありますもんね。
そしてそれは我々の行う運動療法によって進む事もある。病態の十分な理解の下に、治療の進捗を理解した上で運動を処方しないと、我々の行いが患者様の不利益につながる。それはもう分かっているな。
もちろんですよ。と山吹は答える。それに対して石峰もまた笑みを浮かべる。いつものような変わらない日々。それを私が望む日が来るだなんてな。そんな事を石峰は思った。
山吹薫の覚書60
・心臓のポンプ機能にはバックアップ機能もまたある。しかしそれは同時に心臓の負担にもなる。
・運動は時に心不全を進めてしまう。十分に気をつける。
・なんだか主任は今日は機嫌が良い。
【〜目次〜】
『内科で働くセラピストのお話も随分と進んできました。今まで此処でどんなことを学び、どんな事を感じ、そしてどんなお話を紡いできたのか。本編を更に楽しむためにどうぞ。
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