心不全の話 その① 〜心臓の負担を考える時に必要な事〜 【山吹薫の昔の話】

心不全

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【看取りのセラピスト/ティザーPV第二弾】

喧騒にあふれた日々の始まりは、たとえこの救急科のリハビリ室といえど静かなものだと山吹薫はそう思う。いつもならば。

高橋 美奈
高橋 美奈

それで!?二人で勉強会なんてずるいじゃない!

石峰 優璃
石峰 優璃

どうした?美奈。今に始まった事じゃないだろう。

山吹 薫
山吹 薫

そうですよ。むしろ珍しく早起きしたからって絡まないでください。

だってー。と高橋美奈は頬をわざとらしく膨らませている。救急科に居る唯一の作業療法士である彼女はこう見えても石峰優璃と同期であるというから侮れない。

高橋 美奈
高橋 美奈

じゃぁ今日は心不全の話!はい!新人ちゃんからどうぞ!

山吹 薫
山吹 薫

なんですかいきなり!まぁいつもの変わらないですが・・・まず心臓はポンプの機能があり、全身に血を滞りなく巡らせて必要な場所に酸素を含んだ血液を送り届けます。その機能が不完全となる。心不全を簡単にまとめるとこういう事でしょうか。

石峰 優璃
石峰 優璃

まぁそういう所だろうな。心臓には一回の収縮で血液を送り出す力、つまりは一回拍出量と、一分間に血液を全身にどれだけ巡らせる事が出来るか否かの心拍数、この二つを乗じて心拍出量となる。この考えがまずは必要となる。

はーい!それはなんですかー?そう高橋は山吹に質問する。歳に似合わずはしゃいでいるなと山吹はそう思うが、口には出さない。年齢に関する事を口に出すと酷い目を見る。それは十分に学習している。

山吹 薫
山吹 薫

そうですね。それは心臓の代償機構の事ですね。もしなんらかの要因で心臓の力が弱って一回に出す血液量が減った場合、これは一回拍出量ですね。そういうときには心拍数が普段よりも早く動いて心拍出量を保とうとします。

高橋 美奈
高橋 美奈

そうねー。そしてその逆に脈拍がなんらかの原因で上がらない時には逆に心臓は強く収縮して一回拍出量をあげて心拍出量を保とうとする。もしくは心臓も筋肉で伸び縮みは多少はするから、血液を沢山蓄えてそれを押し出そうとする。つまりは心拍出量を保っていわゆる心臓のポンプ機能を保とうとするのね!

石峰 優璃
石峰 優璃

ふむふむ。ならばそれは何故破綻するのだろうか?

なんだろなー?と高橋はきっと分かっているだろう表情でわざとらしく首を傾げる。石峰の視線はしっかりと山吹を向いており、その質問の答えを待っている。

山吹 薫
山吹 薫

それはこれはあくまで代償機構です。これが正常の生活の範囲内であれば問題はありませんが、疾患を基礎に持ちつつ慢性化していくとやがては心臓にも負担がきます。

石峰 優璃
石峰 優璃

ふむふむ。それで具体的には?説明は少ない事には越した事はないが、必要な情報がないと理解も出来ないよ。

高橋 美奈
高橋 美奈

ふっふー!まだ始まったばかりなんだからゆっくり聞こうよー。

全くこの人たちはと山吹薫は首を振る。しかしこの人達にも新人の頃はあった訳で、一体それはどうだったのか。山吹はそんな事が気になった。

山吹薫の覚書62

・心臓のポンプ機能、つまりは仕事の量は心拍出量で考える。

・一回拍出量と脈拍は互いにフォローしながら心拍出量を保つ。

・主任は一体どんな新人だったんだ?

【〜目次〜】

『内科で働くセラピストのお話も随分と進んできました。今まで此処でどんなことを学び、どんな事を感じ、そしてどんなお話を紡いできたのか。本編を更に楽しむためにどうぞ。

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