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さてさて・・・なんだが不思議な事になってきましたわね。と桜井玲奈は白波百合とかつての学校、そして内海青葉の部屋の中で、そんな事を考えた。
さてー昔の山吹もこうやって一緒に学んだから懐かしいよねー。それに今はその教え子と一緒にこうやってお話しするだなんてボクも歳を取るわけさー。
ふふ。先輩からそのお話は前に聞いたっす!こうやって主任さんや内海先生とお勉強してたんすよねー!
薫さ・・・山吹さんもですの!?それならば私(わたくし)達も是非ともそうやってお勉強したいですわ!
君はそんなキャラだったけっかねー。まぁ気にしない気にしない!ボクだって普段は猫を被ってるからねー。それじゃぁ今回は呼吸についての復習をしようかな!昨今は色々考えなきゃいけない事柄だからねー。それでは!まずは呼吸とはなんだい?
確かに学校の時にはこう奇妙に体を揺らす事はしなかったですわね。と桜井はため息をつく。だけどもかつては薫様が通った道ならば、私も是非ともチャレンジせねばと腰に手を当てる。
それでは私から、呼吸とは外界から酸素を取り入れ、二酸化炭素を排泄してガス交換をする事ですわ。とりわけ外呼吸と内呼吸で・・
ふふーん!それでも良いけど、もっと分かりやすく自分の言葉で教えて欲しいなぁー。ボクは何にも分からないからさー。
そういう事は無いっす!ふむ・・・呼吸はそもそも生命を維持するのに必要な事だと思うっす!体が体を維持するために必要な酸素を取り入れて、そこからしっかりと脳みそや、心臓や、他の沢山の臓器が動くためのエネルギーを産生する・・・って事っすかね?
さすが内海先生面白い趣向ですわ!教科書を読んで復習するのではなく、より実践的ですわね!ならそうですわね・・・大気中に存在する酸素を大気と一緒に口から吸い込みますの。それが咽頭や喉頭といった上気道を通過し、気管から気管支、その先にある呼吸細気管支を通過し肺胞という小さな小袋に到達して、流れ込んだ血液に酸素をまずは渡すのですわ!
いい感じー!と内海は体を奇妙に直角に近いほど曲げる。それに合わせて白波もまた体を曲げるのだから変な空気ですわねとため息を吐く。だけどもこうやって言葉にして誰かに伝える。そういう勉強の仕方は確かに必要だと思う。
随分と物分かりが良くて助かるよー。もう新人ちゃんの時の山吹は随分と眉をこう潜めてねぇ。ふん。だなんて鼻を鳴らしてたさー。それではお話の続きをどうぞ。
なんだかそれは想像できるっす・・・えぇとその肺胞から血液に酸素は移動するっす。それは圧力の差で移動して、酸素の分圧が高い肺胞から血液の中に押し出されるように移動するっすね。そして血中を流れるヘモグロビンにくっついて血の中を流れていくっす!
そして標的の組織、細胞に辿り着くとそこの中のミトコンドリアで、エネルギーを生み出すための工程に入りますわ。そしてその代謝産物として二酸化炭素が排出されて、同じように血管の中を移動して、血中に比べると二酸化炭素分圧の低い肺胞の中に戻って逆の経路で口から出て行くのですわね!
そうだねー。大まかな流れはそんな感じだねー。そしてそれをまとめるとこうなるね。
さらさらと内海はちょっと大きめのタブレットにそれを書き出す。二人をそれを覗き込んだ。
二人のお話を纏めるとこんな感じだねー。まずはこうやって大まかなイメージで捉えると後の理解につながるよー。それに生命活動に必要なエネルギーを算出して、生命に維持に必要という元々の目的を見逃さないことだねー。じゃないと呼吸リハで何も考えずに深呼吸の練習だけをしてしまう。呼吸を沢山取り入れるための練習は間違いではないけれど、方法に差異が生まれてしまうから要注意!覚えておいてねー。
それはもう十分に先輩に教わってるっす・・・。それでその呼吸の運動を調整する司令塔とセンサーもちゃんとあるんすよね!
延髄にある中枢性の化学受容器と大動脈や頚動脈小体ですわね。前者は二酸化炭素を感知して、後者は酸素の感知を行いますの。それを経て延髄にある呼吸の中枢で、呼吸の深さや数を調整しますの。
そうそう。その中枢では二酸化炭素、末梢では酸素という事は重要な事だから覚えておかないとねー!書き出すとこんな感じかなー
再び内海はスラスラと自分達の話をまとめる。学校の授業とはまるで逆ではあるけれど、知識が自然と頭の中で整理されていく。桜井はそんな気もがした。
ならざっくりした全体のイメージの纏めだねー。さてさて、ここまでのお話で呼吸に関連する要素はどんなものだあるだろうねー?
えぇと。まずは酸素っすね!後二酸化炭素!それが行き来するための気道ともちろん肺っす!
あらそれだけだはございませんわ?もちろん酸素を受け取る血液と血管、そしてそれを送り出すための心臓の力、そしてそれを受け取る組織、そもそも呼吸運動を調整する呼吸中枢や脳の働き・・・って全部ですわね・・・
そういう事ー。そしてそれを纏めた有名な図があるのさー。一度は教科書でも見た事あるんじゃないかなー?かの有名な『ワッサーマンの歯車』さー。
そして内海はタブレットを二人に見せる。三つの並んだ歯車が互いに影響し合っている姿がよく分かる。
出典’ココハレ様『ワッサーマンの歯車を回してみた』
これは・・・良く出来た動画ですわね・・・でも今までお話したイメージで見るとよく分かる気がしますわ。
うっすね・・・学校の授業で見た時には正直なんじゃこりゃと思ったもんっすけど、こうやってイメージで捉えて見ると分かりやすいっす!
でしょでしょー。昔、主任ちゃんと山吹に教えて貰ったんだけど今でも現役さー。ココハレ先生っていうの。みんなの大先輩だから覚えておいてねー!。ここからはもっと詳しく呼吸の運動を見ていくよー
二人はマジマジとその図を覗き込む。そして改めて世の中には自分より、はるかに努力している人がいるものですわと桜井はため息を吐く。こうやって定期的に鼻頭を折られるのもまた自分にとっては必要かもしれませんわね。そしてさてお話の続きをと桜井はもう一度腕を組んだ。
白波百合のノート 115
・呼吸には様々な要素が関わる。ただ息を吸って吐いている訳でもない。呼吸リハビリではその概念がとても必要!←これについてはもっと勉強っす!
・学習する上ではまず大まかなイメージで全体像を捉える。そうする事でかつて理解できなかった事が簡単に理解できる。それにしっかり過程を考えた上で図に纏めると理解はし易い。
・こうやって先輩も教えて貰ってたんすね!
【〜目次〜】
『内科で働くセラピストのお話も随分と進んできました。今まで此処でどんなことを学び、どんな事を感じ、そしてどんなお話を紡いできたのか。本編を更に楽しむためにどうぞ。
【総集編!!】
【これまでの話 その①】
【これまでの話 その② 〜山吹薫の昔の話編〜】
【時間がない人にお勧めのブログまとめシリーズ!】
【ウチ⭐︎セラ! 〜いまさら聞けないリハビリの話〜】
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